宮古島市の民俗芸能に関する取り組み
(沖縄県宮古島市)


 宮古島は九州鹿児島から台湾へ弓状に連なる南西諸島の南部にあり沖縄本島より約290kmの距離にあり、本市は、宮古島・池間島(いけまじま)・伊良部島(いらぶじま)・下地島(しもじじま)・来間島(くりまじま)・大神島(おおがみじま)からなる。
 高所が少なく、平坦な地形は農耕に適しており島の約53%が耕地で、大きな河川等もなく生活用水等のほとんどを地下水に頼っています。年間平均気温が23.5度の四季を通して暖かい気候で、夏から秋にかけて多くの台風が来襲します。
 宮古島市は、平成17年10月に5市町村(平良市(ひららし)・城辺町(ぐすくべちょう)・下地町(しもじちょう)・伊良部町(いらぶちょう)・上野村(うえのそん))の合併により新しく誕生しました。 市内には、国・県・市指定の文化財が153件あり、市の東端には「東平安名崎(ひがしへんなざき)」南端には「下地島の通り池」が国の名勝として指定されています。
 また、奇祭として知られる「宮古島のパーントゥ」があり、平良(ひらら)の島尻(しまじり)地区に伝わる「島尻のパーントゥ」は、毎年旧暦9月の初め頃蔓草のシイノキガヅラを身にまとい全身に泥を塗った3体の来訪神(パーントゥ)が集落の拝所で祈願をして、集落に出て新築の家や、子どもが誕生した家、集落内を走り回り泥を塗って厄払いをする。
 上野(うえの)の野原(のばる)地区のパーントゥは、毎年旧暦12月に行われ、地区ではサティパライ(里祓い)とも言われている。
 男の子の1人がパーントゥの面を着け、他の者は小太鼓とホラ貝で囃し、女性達は頭や腰にクロツグとセンニンソウを巻き、両手にヤブニッケイの小枝を持ち拝所で祈願の後、集落内の所定の道を練り歩き厄払いをする。ともに来訪神の性格を持つが「島尻のパーントゥ」が動的神であるのに対し、「野原のパーントゥ」は静的神である。
 伝統芸能では、宮古島の各集落に伝承されている「クイチャー」のアヤグ(歌)や踊りが「宮古のクイチャー」として記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財として国の選択を受けている。
 他には、沖縄民謡で有名な「トーガニーアヤグ」や「ナリヤマアヤグ」のふるさとでもある。
*クイチャー…宮古の方言で声(クイ)を合わす(チャース)という意味で、新築祝い・五穀豊穣・雨乞いの時に踊る宮古の伝統的な踊り。
*アヤグ…宮古の言葉で美しい言葉(唄)。
*トーガニーアヤグ…「唐金」と呼ばれる人が初めて歌った男女の愛情表現の叙情歌。
*ナリヤマアヤグ…なりやま=海山。妻が夫を諭す教訓歌。  

 島尻のパーントゥ     野原のパーントゥ


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